心が感じたままに

  1. Review
  2. 104 view

音楽のない映画〜THE GUILTY

アマゾンプライムで映画をたくさん鑑賞します。楽しみの為もありますが、映画の中での音楽の使われ方を研究するために見ることが多いです。せっかくたくさん見ているので、ブログで出来るだけ感想を書いていこうと思います。

THE GUILTY

今回は「THE GUILTY」というデンマーク映画を見ました。

作品について

本年度アカデミー賞外国語映画賞、デンマーク代表。『セッション』『search/サーチ』に続く、サンダンス映画祭観客賞受賞作品!米レビューサイトロッテントマト、驚異の満足度100%!!!緊急通報指令室のオペレーターであるアスガー・ホルムは、ある事件をきっかけに警察官としての一線を退き、些細な事件に応対する日々が続いていた。

そんなある日、一本の通報を受ける。それは今まさに誘拐されいてる女性自身からの通報だった。彼に与えられた事件解決の手段は”電話”だけ。車の発車音、女性の怯える声、犯人の息遣い・・・。

微かに聞こえる音だけを手がかりに、”見えない”事件を解決することはできるのかー。

(字幕版) (吹替版)

音楽のない映画

プライムで映画を選択するときの基準に「予告編」を見ることが多いです。で、「予告編」では過剰なくらい「音楽」が作品を盛り上げます。今回見た「THE GUILTY」でも予告編では過剰なくらい音楽が盛り上げていました。

しかし本編では音楽が流れません。

当たり前のように音楽が映画の中に存在する中で、音楽のない映画は新鮮でした。電話の向こうで聞こえる、雨の音やパトカーのサイレン、そして電話の着信音などが音楽のような役割をはたしています。おそらくこういったことを意識していない人は、音楽の存在しないことすら感じないかもしれません。

この映画は好き嫌いが分かれるところでしょう。ストーリーはとてもよく出来ていいます。「よかれと思ってしたことがそうではない結果を生む」こと、人の過ちから自分自身の過ちに気づくプロセスなど、うまく表現しています。

そして登場人物の傲慢さ、哀しみや怒りが、音楽でオブラートに包まれることなく、剥きだしで伝わってきます。90分程度の理想的な長さの映画ではあるのですが、多少中だるみの感じがするところもあります。これは音楽がないのも理由の一端であるように思います。

映画の中の音楽の意味

映画音楽でのスコアメイキングを研究するために映画鑑賞をしていて、音楽がストーリーの流れを大きく作っていることがわかります。あえて音楽を入れなかったのは、この映画の制作者が音楽による過剰な演出を避けたと思われます。

そして、映画終了間近になってようやく音楽が登場します。そのときに自分自身が感じたのはある種の開放感です。これはこの映画の中で素晴らしい効果を発揮しています。それまで劇中で感じていた緊張感は、自分から遠い世界の物語であったことを認識します。そして緊張した世界からの距離をおいて、客観的な位置から登場人物を見る余韻を作っています。

これは映画をエンディングを強く印象づける、うまい効果と思います。

作品全体は素晴らしいと思います。

しかし、さすがに音楽がないので少々疲れます。たとえばオーディオブックなどの小説も音楽がありませんが、長時間のオーディオブック場合それほど気にならないです。それは本を読む体験に近いため、何度も休憩しながら聴くからです。

映画の場合90〜120分、休みなしに一気に見ることがほとんどです。音楽なしでオーディエンスの集中力を継続させて一気に見せるのは難しいように思います。

そういう意味で良くも悪くも、映画の中での音楽の立ち位置をあらためて再確認できた作品でした。

ジェイク・ギレンホールの制作主演でハリウッド・リメイク版も出るようです。そこでは音楽がどういう使われ方をするのか、とても興味深いところです。

この記事を書いた人

[Music Freaks]
日々、ピアノを弾くことで生計を立てています。アコーディオンも弾きます。そしてひたすら音楽製作してます。人の多い場所と鈍感な人、苦手です。音楽と共に生きてくことは愉しい、すべての人がそう思えるような世界を考えていきたいです。

アナタにお薦め


☆-----------------------------------------☆

本日限り Amazonタイムセール 今すぐチェック!

☆—————————————–☆


この記事が気に入ったら
ツイッターでリツイート
Facebookでシェアしてくださいね☺️

Reviewの最近記事

  1. 音楽のない映画〜THE GUILTY

  2. 作業用モニターを4Kウルトラワイドに

関連記事

ランキング

  1. 登録されている記事はございません。

アナタにおすすめ

楽天市場

PAGE TOP